日本食には欠かせない昆布についてご存知でしょうか?
実はとても奥が深い食材なんです。
奈良時代より使われてきたとされていまして、最初は食材としてではなく薬として使っていたようです。
育つ場所によって味や品種、値段も変わる昆布について簡単にまとめてみました。
日本の4大昆布

利尻昆布
北海道の最北端である宗谷岬一帯で獲れる昆布。
高級品で京都の懐石料理で多く利用されています。
繊維が固く、だしが濁らず透明な上品なだしがとれます。
羅臼昆布
知床半島の太平洋沿岸で獲れる昆布。
香りがよく、薄くて幅広い、濃いコクのあるだしがとれます。
日高昆布
日高地方沿岸で獲れる昆布。
繊維質は柔らかく肉厚で、煮上がりが早いのが特徴。
真昆布
函館を中心に北海道の南地方で獲れる昆布。
肉厚で幅広く、繊維は柔らかめで、澄んだだしがとれる。
ちなみに白浜口と呼ばれる銘柄は皇室に献上される最高級品に分類されます。
昆布の一生
昆布は2年がかりで成長します。
収穫時期は夏頃で秋から冬の間に胞子を出して枯れて抜け落ちる。
食材を育てる期間としてはなかなか。
昆布と母乳の味は似ている
旨味成分の代表格であるグルタミン酸は昆布の中に豊富に含まれています。
実は母乳の中にも同じくグルタミン酸が豊富に含まれているそうです。
赤ちゃんが最初に口にする旨味。
まぁ、旨味を感じながら飲んでいる赤ちゃんはいないでしょうけど・・・。
旨味の相乗効果
だし文化の日本で使われている食材でメジャーなのは、昆布、鰹節、干し椎茸ですね。
これらに含まれる旨味成分は、それぞれ昆布(グルタミン酸)鰹節(イノシン酸)干し椎茸(グアニル酸)となっています。
なんとそれらすべての旨味成分は、すべて日本の研究者が発見したそうです。流石日本人!
単独での旨味はそれほど強くないのですが、2つ掛け合わせることによってその旨味の感じ方は7〜8倍になるとされています。
和食をはじめ、世界各国の料理、ラーメンの味作りなどに大きく関わっております。
日々ラーメンを作っている僕としては、その辺りを意識しながら試行錯誤しています。
理屈で分かっていてもめちゃくちゃムズイんですけどね・・・。
昆布は体にいい
昆布の成分としては炭水化物、食物繊維、それ以外にも大量にカルシウムが含まれていおり、同量の牛乳と同じくらいのカルシウムが含まれているそうです。
他にもヌルヌルした性質を持つアルギン酸も豊富で、このアルギン酸は高血圧の予防に役立っております。
昆布の根っこであるメカブにも大量にアルギン酸が含まれております。
昆布にはフコイダンという成分が約1%ほど含まれてるのですが、フコイダンにはがん細胞を自滅させる効果があるという研究結果が報告されているそうです。
自然治癒力を高める効果があるってことですね。
昆布だしのとり方
1Lの水の場合約30gほど、水の量に対して3%ほどの量を使用するのが一般的。
水出しする場合は5時間ほど放置。
水出しだけでも十分なだしが出ます。
時間がない場合や繊維の柔らかい昆布ですと、60度のお湯で30〜1時間程煮ることで美味しい昆布だしをとることができます。
煮すぎるとエグミがでてしまいますので注意が必要です。
まとめ
だしの持つ香りと風味は人の心を安らげる効果があります。
今までなんとなく使っていた昆布をちょっとでも知ることで、昆布を購入の時、料理をする時がきっと楽しくなることでしょう。
古くから日本の食を支えてきた昆布。
昆布のもつポテンシャルを見直してみてはいかがでしょうか?
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